「首のこりがなかなか取れない」・洗濯物を干すのに上を向いたら首が痛くなった」ー。こうした首のこりや痛みは誰でも経験する症状の一つ。こういった症状を訴える人は、国内には1千万人程度とされる。
9割は筋肉疲労などからくる原因のはっきりしない痛み。1・2週間で改善することが多く心配しなくてもよいのですが、問題は残りの1割、思わぬ病気が潜んでいることがあります。
頸椎は、椎骨という小さな骨が7つ連なってできていて、中心には脳の指令をを全身に送る神経の太い束である脊髄が走り、それぞれの椎骨の間からは手や背中に向かう神経の枝である神経根が伸びています。
生活習慣や加齢、体質などの原因で頸椎が変形、脊椎や神経根を圧迫されるとさなざまな症状が出ます。代表的な病気が頸椎椎間板ヘルニア・後縦靭帯骨化症・頚椎症です。ヘルニアは40〜50代のに多く、後縦靭帯骨化症は50代を過ぎたころから出ることが多い。
最も多い病気が頚椎症で、60代以降になると症状を訴える人が多いのです。これらの病気の主な症状は首から腕にかけての強い痛みやしびれがある神経根の圧迫によるもの、痛みは感じにくいが両手足にしびれなどの感覚障害が起こるのが脊髄の圧迫によるものである。
これらの病気は、重症の場合は手術治療もあるが、軽傷なら保存療法をとります。まずは首に負担の少ない姿勢や軽い運動による生活改善。またゲーム・パソコン・特にスマートフォンの利用は、同じ姿勢を取りがちなので要注意。一定時間したら休憩するように心がけましょう。
また、痛いからといってじっと動かないのも悪く、無理のない範囲で身体を動かした方がかえって回復が早いものです。
最後に、首は重たい頭をささえながら、神経や血管の通り道となっている需要な場所、日常の動作に気をつけ、加齢による頚椎症などの病気を防ぎましょう。