高齢者が冬、気をつけなければならないのが、急激な温度変化に伴って起きる体調不良の「ヒートショック」だ。特に入浴時に血圧が乱高下し、意識障害や心筋梗塞などを起こす。溺死や転倒につながるケースも少なくない。
入浴中に急死する人の数は全国で年間約1万4千人、そのうち1万1千人が65歳以上の高齢者なのです。
入浴中の急死のほぼ半数が毎年12〜2月の冬場の3ヵ月間に起きていて、暖房が利いた部屋から出て、寒い脱衣所で服を脱ぐと、体温が一気に下がる。体温を調節するために血管が収縮し、血圧や脈が上がり、血圧が高い高齢者だと、心筋梗塞や脳梗塞などを起こす危険が高まる。
特に危険なのが湯船につかる瞬間、寒い浴室から急に熱い湯につかると体調が悪くなります。血圧の下降幅が大きいと、脳の血流量が減って意識障害が起こり、転倒したり、溺れたりするため注意が必要です。
対策としては、家全体を快適な温度に保つ「サーモフリー」を目指し、部屋ごとの温度差を3度以内に収めることが理想です。
まずはトイレや洗面所・浴室に暖房設備を置く。 また、湯船につかる前には手や足など心臓から離れた部位から順番に湯をかけて、体を授受に温めてから湯につかりましょう。